行くも地獄!戻るも地獄!リストラで放り出された正社員が辿る運命

昨年はリストラの嵐が吹き荒れた日本は、今年もこの傾向は続きそうですが、昨日入ってきたニュースはさすがに衝撃的でしたね。

コンビニエンスストア最大手のファミリーマートにも早期退職が殺到している。

つい先日、ファミリーマートは24時間営業を一部取りやめる英断をしたばかりですが、今度はリストラに踏み切り、当初800人だった希望退職枠に想像以上の社員が殺到しているのだ。

ファミリーマートのリストラ対象者は主に、勤続3年以上の40代で(本部社員は45歳以上)該当する社員は3000人に及ぶが、最高で2000万円のプレミアム退職金と再就職支援を受けられる。

しかし、プレミアム部分に惹かれて退職を希望するなら、ちょっと待った方がいい。

40代以上の転職は、想像以上に厳しいものですから。

コンビニエンスストア大手ファミリーマートの早期退職に応募が殺到している。当初は800人の枠だったが、想定以上の“人気”ぶりに本社は募集期間を当初の2月10日~21日から前倒し、2月3日~7日と期間も短縮した。社員の自由意志による募集のはずが、内部資料では社員を「応募勧奨」や「慰留」など4グループに分類していることも判明。伊藤忠商事出身社員への優遇も目立ち、社員の間で厭世観が広がっている。(フリージャーナリスト 赤石晋一郎)

社員に早期退職応募を決心させた ファミマ・澤田社長の年頭挨拶の言葉

1月6日の朝。仕事初めのこの日、コンビニエンスストア大手ファミリーマートの支社(ディストリクト)は騒然とした雰囲気に包まれていた。社員たちの視線の先にあるのはテレビ会議用の大型ビジョン。映像はファミマ本社の大会議室につながり、年頭挨拶をする澤田貴司社長の姿が映し出されていた。

「会社があなたに何をしてくれるのかではなく、あなたが会社に何をできるか考えてほしい」――。

澤田社長はこう社員に問いかけた。力強く語られたその言葉は、かえって社員たちの動揺を誘ったという。あるファミマ社員は振り返る。

「社長は『会社のために辞めろ』と言っているんだと誰しも思いました。そして、この会社に未来はないという声が広がったのです。早期退職に応募しようか迷っていた多くの社員が、社長のこの声で応募を決心しました」

社員に動揺が広がったことには訳がある。きっかけはファミマが2019年11月に発表した人員削減計画だった。本部社員の約1割に当たる800人の希望退職募集を社内外に告知し、リストラに着手したのだ。

ここに一束の資料がある。管理職社員の間で通称、“リストラマニュアル(以下・リストラ資料)”と呼ばれている代物だ。

ファミマのリストラ計画の対象となるのは、勤続年数3年以上で、現場社員は40歳以上、本部社員は45歳以上が条件だ。該当する社員は約3000人にも及ぶ。対象となる社員は、800人という枠の早期退職に応募すれば、最高で2000万円の早期退職金と、再就職支援が受けられるという。

対象社員への面談は19年末から始まった。一見、社員の自由意志を尊重した希望制の早期退職制度に見える。ところが、リストラ資料によれば、実は社員は4つのグループに階層分けされ、リストラの優先順位がつけられていた。

「応募勧奨」「意思確認」「慰留」… 社員を4グループに分類したリストラ資料

どう面談を進めるべきかをマニュアル化した「コミュニケーション分類」という表には、こう記されている。

○グループI
面談方針 慰留
面談回数 2回~上限なし
ポイント
・慰留を行う
・基本的には、回数制限はない(但し、最低2回は実施)

○グループII II’
面談方針 意思確認
面案回数 2回~4回
ポイント
・会社方針や変化に対する理解と貢献意思・覚悟を確認(最大4回)
・制度応募意向の場合は、慎重な検討結果か確認し面談終了
・いずれの場合も最低2回は実施する
*意思確認層は、IとIIIの動向により調整することもある(応募勧奨への切り替え調整がある場合は。II’を中心に対応を検討する予定)

○グループ III
面談方針 応募勧奨
面談回数 2回~4回
ポイント
・社外転進を勧める
・合意が得られるまで、面談を実施する(原則4回まで)
・制度応募を希望する場合は、2回目で終了も可

リストラ資料は、グループIIIの社員を中心に“肩たたき”を行い、応募状況によってグループII’やグループIIの社員まで範囲を広げていく計画であることを雄弁に物語っている。しかし、このグループ分けを知るのは管理職の社員だけ。一般社員には“極秘”とされた。

実際の面談の様子を、前出とは別のファミマ社員が明かす。

「クビとははっきり言わないのですが、『察してね』という話し方で早期退職を勧められました。いろいろ質問しても、事務的にのらりくらりと答えるだけで、親身な面談という感じではありませんでした」

この社員が不審に思うのも無理はない。実際、リストラ資料には、「質問と応答例」という、管理職社員向けの面談時の回答マニュアルまで明示されている。例えば以下のようなやり取りが管理職の“模範解答”だ。

質問 なぜこのタイミングで(早期退職を)行うのか?

応答例 コンビニ業界を取り巻く環境は厳しい状況下、経営が悪化してからでは、成長に向けた選択肢も狭まるため、経営基盤にまだ余裕がある今こそ実施すべきと判断しました。社外に出られる方においても、今だからこそできる最大限の優遇条件を、今回の制度で提示していますので、ご理解をいただければと思います。

質問 このような状況になるまで一体何をしていたのか? 経営責任はどう果たすのか?

応答例 経営として、市場環境に合わせてさまざまな施策を実行してきました。しかしながら、同時に予測できない状況の変化もありました。今、経営の責任は、この厳しい市場環境を勝ち抜いていくために、この構造改革を完遂することであり、今後、社外に活躍の場を求められる方に対して最大限の支援をすること、と考えております。

このような詳細な“面接マニュアル”が、6ページに渡って明示されているのだ。そして、面談で社員が話した内容は、管理職社員がシステムに即時入力するよう義務づけられているという。

ところが、ファミマ社員の危機感は、経営陣の想像を超えていた。想定以上の社員が早期退職に関心を示したのだ。関係者によれば、先のシステムによる集計で、19年末時点で早期退職への応募意向を示した社員が1100人を超えたという。

800人の予定が応募意向は1500人!? 早期退職の募集期間を前倒しで短縮

「澤田社長の年頭挨拶で、会社への危機感は増幅し、1月には1500人近い社員が応募意向を示しているといいます。経営サイドは急遽、応募しても『適用否認』という判断を下す場合があることをアナウンスし始めた。適用否認をされた社員は、辞めても早期退職金2000万円が支払われないというのです。初めは辞めろといい、今度は辞めるなら退職金は払わないと脅し始める。社内はパニック状態です」(ファミマ管理職社員)

当初、早期退職の募集期間は2月10日~21日の予定だった。ところが1月28日、ファミマは突如、この期間を前倒しし、2月3日~7日と期間も短くすることを社内にアナウンスした。会社と社員のリストラを巡る“骨肉”の攻防は、既にスタートしている。

なぜ、これだけ応募が殺到する事態となったのか。

その一因は、ファミマ社員の間で、親会社である大手商社・伊藤忠商事に会社が支配されていることへの嫌悪感が広がっているからだという。中でも反発を招いたのは、リストラを発表した昨秋と同時期に流したカフェラテのCMだという。

CMはファミマがコーヒーマシンに200億円を投資したことをアピールする内容。ファミマが“コーヒー推し”をする理由について、前出の社員は、「伊藤忠から高値のコーヒー豆を仕入れなくてはならないからだ」と語り、「むしろ他商品のテコ入れが必要といわれているなか、伊藤忠のためにコーヒーを売ることに誰もがジレンマを感じていた」と嘆く。

こうした環境下で、リストラを発表する一方で、コーヒーマシンに200億円投資するCMを知らされたファミマ社員の間で、一気に厭世観が広がったというのだ。「だいたい『200億円投資』をアピールするCM自体が、消費者心理を全く分かっていない“商社ノリ”。CMを打っても、店内コーヒー売り上げで先行しているセブン、ローソンとの差を縮めることができなかった。リストラへの配慮もありCMはすぐに中断され、結果、大失敗に終わった」(ファミマ社員)

さらに追い打ちをかけたのが、1月に発表された組織改編だった。

ファミマ新卒社員第一号世代だった副社長や、ファミマを支えてきたプロパー役員らが一斉に「店舗再生本部担当」に異動させられたのだ。

店舗再生本部は、ファミマ本社が店舗を直接運営すべく新設された部門だ。フランチャイズ加盟店が事業継続を断念した場合、ファミマ本部がその店を引き受ける。要するに、フランチャイズのなり手のない“お荷物店舗”を預かって、社員自らが店長や店舗スタッフとなって運営するのだ。

「ファミマの役員のほとんどが伊藤忠出身者で固められ、プロパーである副社長はコンビニビジネスの根幹であるフランチャイズビジネスから外された。店舗再生本部はいわば“島流し人事”で、この会社は完全に伊藤忠の支配下にあるということが白日の下に晒された」(ファミマ管理職社員)

16年にサークルKサンクスと統合し、セブン-イレブンに次ぐ業界2位に躍り出たファミマ。統合直後は約1万9000店あった店舗数は、現在約1万6500店まで減った。業界3位のローソンは1万4600店。今後、ファミマの店舗数減少は加速するとみられており、業界3位転落というシナリオも現実味を帯び始めた。

加盟店が減少する理由の一つは、ファミマの魅力不足だ。セブン加盟店の平均収益は年900万円を超える一方で、ファミマ加盟店は平均600万円程度だという。またセブンやローソンは定期的にヒット商品を生み出しているが、最近のファミマ本部がヒット商品を生み出せていないことも加盟店側にとっては不満の種だ。

「ヒット商品があれば、加盟店の多くは希望を持って頑張ってくれますがそれがない。しかも、サークルKとの統合で、同じエリアにファミマが複数店あるという、食い合い状態も長く続いている。経営が苦しく『夫婦でスーパーのレジ打ちのバイトでもしたほうが自由で幸せな生活を送れる』と言い出すオーナーもいます」(ファミマ社員)

こうした加盟店減少のマイナスを、直営店で補おうというのが店舗再生本部なのだ。現在、約700ある直営店は、ここ数年で2000店舗の規模まで増やされていく予定だという。

だが、コンビニ2位の座を守ろうとするだけの泥縄式手法の側面もあり、「今度は直営店と競合させられる加盟店オーナーたちの不満が高まり、ファミマ離れがますます加速する可能性すらある」(コンビニアナリスト)との厳しい声もあがっている。

「適用否認で残留した社員は店舗送り」 伊藤忠に“忖度”する経営企画部の圧力

東京都港区芝浦のファミマ本社。7階フロアの一角に、伊藤忠支配を象徴する経営企画部という部門がある。同部署は親会社に忖度した経営戦略方針を立てる一方で、プロパー社員へ圧力をかけ続ける様から、“伊藤忠の公安警察”と評されている。伊藤忠から送り込まれた経営企画部幹部は、いまこう周囲に喧伝して回っているという。

「早期退職制度に応募した社員は忠誠心が低い奴らだ。降格を覚悟してもらう!」

この言葉を聞いて、社員の間では「降格=店舗送り」という認識が広がっているという。会社の慰留で残留したとしても、同じポジションには留まれない。「店舗再生本部」送りになって直営店舗に配属されれば、収入は激減することが予想される。

ファミマ社員はリストラの嵐のなか、行くも地獄、戻るも地獄という苦況に立たされているのだ。早期退職の応募は7日で締め切られ、翌週には適用否認なのかどうかが社員に通達されるという。

加盟店も社員も「ファミリー=家族のように」を企業理念として標榜してきたコンビニの雄は、いま大きな岐路に立たされている。

私もかつて希望退職という名のリストラを言い渡された人間。

退職金のプレミアム部分も雀の涙、付けてくれた再就職支援会社(アウトプレースメント)も何の役にも立たなかった。

結局自分たちの力で転職しなければならず、「土下座してでも残留しておくべきだった」と後悔したものです。

ただ、この会社に入るまで数回転職歴があった私は、それなりのノウハウを持っていたので助かりましたが、40代にして初めて転職を経験した元同僚達は地獄を見たようです。

2020年2月5日 DIAMOND ONLINE Yahoo!ニュースより引用

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